鹿児島県 南九州市頴娃町(えい町)にある大野岳(おおのだけ)は、お茶の産地 南九州市を見守る標高466mの山です。
466という数字から、「しろろ山」と呼ばれることもあります。

春先には、「新茶・大野岳マラソン in えい」が開催されるなど、地元内外から親しまれているスポットです。
山頂近くまで車で登れることもあり、気軽なハイキングやちょっとハードな散歩道として利用するも。
本記事では、大野岳の歩き方についてご案内していきます。
▼頂上に向かう前の準備
大野岳は、鹿児島市の中心部から車で約1時間。
同じ市内の知覧や、お隣の指宿からは車で30分ほどで到着します。
頂上まで登る途中にはお手洗いがないので、心配な方は駐車場のお手洗いをお使いください。

同じく、頂上まで自動販売機もありません。
山頂付近まで車で登れるとはいえ、頂上までの階段や道は意外と体力を使います。
飲み物は忘れずに買っておきましょう。

「頂上まで行くのはちょっと大変……」という方は、だんだん茶畑展望台はいかがでしょうか。
駐車場内にある展望台で、こちらからも南九州市の風景を楽しむことができます。

▼大野嶽神社
駐車場から頂上まで向かう途中にある、大野嶽神社。
詳細な創建時期は不明ですが、1927年以上前に建立されたといわれています。
境内には、300年以上前に建立された仁王像があり、南九州市の指定文化財になっています。
廃仏毀釈の迫害に耐えて原型をとどめた「不屈の仁王像」は、自分の体の治したい部分を触ると、ご利益があるといわれています。

▼山頂への道
大野岳の山道は整備されているので、特別な装備は必要ありません。
のんびり会話を楽しみながら、頂上を目指しましょう。

▼茶寿階段
歩いていくと、看板と階段が見えてきました。
こちらは「茶寿階段」です。
茶寿(ちゃじゅ)は、「茶」という感じを分解して足すと、10+10+88=108になることから、108歳のお祝いを表す言葉です。
茶寿階段は、地元のお茶農家さんが中心となって整備されたスポットで、茶寿にちなんで、108段の階段が頂上まで続いています。

一見すると普通の階段のようですが、足元にご注目!
年齢を表す108段の階段の途中には、七五三、二十歳、還暦、喜寿……と節目となるような年齢を表現するプレートが設置されています。


「階段を登りながら、それぞれの人生へ思いを寄せてほしい」という頴娃町のお茶農家さんたちの願いが込められています。
中には、ドキッとするような「女大厄」「男大厄」の表示もありますが、ご安心を。
大厄の段の横には、「厄除階段」と書かれたプレートがあり、その先にはホッと一息つける休憩スポットがあります。


長い人生、休憩なしに登り続けるのは至難の技。
適当に休憩を挟みつつ、ゆっくりのんびり頂上を目指しましょう。
自分の年齢の段の上に立ったら後ろをふりかえり、これまでの人生を思い返してみるのも良いかもしれません。
ここまで自分の足で登ってきた自分を褒めてあげて、また次の一段へ踏み出しましょう。

▼頂上到着
そうして、登った先はいよいよ頂上。
南薩地域全体を見渡せる風景が目の前に現れる……! はずなのですが、この日は残念ながらあいにくの曇り空で真っ白でした。

天気の良い日には、水平線まで見渡せる気持ち良い風景が広がっています。

© P.K.N
大野岳の展望台は柵がないのが特徴で、南九州市の自然の風景をありのまま楽しむことができます。
撮影用のカメラスタンドが設置されているので、ぜひご利用ください。

オススメの撮影方法としては、
①カメラスタンド近くから煽り気味でカメラを向ける
②撮られる人はシャッターに合わせてジャンプする
と、空中を飛んでいるような写真を撮ることができます。
遮るものがない大野岳の頂上だからこそ撮れる風景を、ぜひ持ち帰ってくださいね。
