協力隊受け入れを担う民間団体として、隊員がいきいきと活動するために出来ることを真剣に考えて実行してみた

協力隊を受け入れる民間団体として思うこと

こんにちは!頴娃おこそ会の加藤潤です。
頴娃を南薩をあつくゆるく紹介するこのサイトとしては、ちょっとあつすぎ?かもしれませんが、地域おこし協力隊について書きたく思います。

NPO法人頴娃おこそ会は、鹿児島県内では珍しく民間として地域おこし協力隊の受け入れを担っている団体です。
頴娃おこそ会紹介サイト

協力隊受け入れに先立ち2015年に県との間でいわば協力隊のモニター的な制度をつくり人材受け入れを開始、その後2016年より正規に2名の協力隊員の受け入れが始まりました。なので民間の立場ながら「協力隊みたいなもの」!?も含め、約3年、3人の受け入れ経験を持つことになります。

私自身も8年前に自ら薩摩半島先端の頴娃町にIターン移住し、観光と地域と行政を繋ぐという活動に取り組んできました。このことはまた改めてしっかり書きたいと思いますが、なのでいわば勝手協力隊みたいな立場でした。8年前は地方へのIターン移住者はまだ珍しい存在でちょっと寂しい思いをしたこともありましたが、今では各地で協力隊員と会うたびに意気投合し、仲間だ!同志だ!と勝手に共感覚えています。

そのため協力隊のあり方については人一倍強い関心を持っているのですが、各地には行政や地域との関係構築に悩む隊員も多く、何か出来ることはないかといつも考えてきました。

地域おこし協力隊はエグイ制度!?

私は協力隊制度とは、国が生み出した大変エグイ制度だと思ってます。
国は制度をどう運用するかは市町村の判断に委ねました。
地方創生の壮大な実験であり、この制度に正解はありません。
あるのは物事の捉え方のみです。市町村がこれで良いと思えば、それが正義です。

だから地域にこれまでなかったイノベーションを生み出すようなとっても柔軟な運用や、
役所の業務を嘱託職員的にサポートするだけの保守的な運用も、
その間にはさまざまな試行錯誤の中の運用もあって、
どれも市町村の意思次第です。成功も失敗も織り込み済の制度です。

でも総論はそうでも、個々の隊員は誰も自分が失敗例になりたいとは思っていないはずです。
だから、協力隊運用の各現場で何か課題があるなら早急に真剣に改善に取り組むべきだし、
そして役所任せにするだけなく、地域への想いを持った民間は、もっとここに関わるべきだと思っています。
協力隊の運営には地域と行政の知恵と本気度が問われているのです。

南九州市が新たな協力隊募集を開始

そんな中で、私が住む南九州市が新たな協力隊員を募集することになりました。

協力隊について語る時、メディアやSNSへの登場も多く創業事例も生まれるなど比較的いきいきと活動している頴娃に着任した3名については、すでに実績のあるNPOが存在し受け入れ母体となったことによる特殊な事例とされることがよくあります。
当NPOへの評価に対してはありがたく思いつつも、今後も市が協力隊制度活用を進めていく上ではもっと一般的な形での受け入れのあり方を模索していくことも、市として最初の隊員受け入れを担った団体としての責任ではないかと考えました。

なのでこの度は市の担当者さんとさまざまな議論を重ねつつ、NPO法人頴娃おこそ会への派遣方式ではない、もうひとつの制度づくりに取り組んだ次第です。

新規募集の特徴は?

南九州市の募集内容の特徴をざっくりと記すと…

〇隊員制度全体を統括する市ふるさと振興室の上野さんと、受け入れ窓口となる市商工観光課の武田さんの若きふたりは、役所から権限を与えられた上でかなりひざ詰めでの話し合いを行ってきました。同じ方向を向いておりブレはありません。

〇隊員のミッションは「歴史ある知覧の観光に新しい風をもたらすこと」。保守的とされる知覧武家屋敷で新たな体験型の観光ビジネスが立ち上がれば理想です。隊員は創業を目指して活動することとなり、当然副業もOKです。

〇でもそこにはさまざまな困難も予想されますので、メンタルケアや創業支援は市役所外からも提供する体制を採りました(頴娃おこそ会がここを担います)。

〇隊員自身の創業実現にはハードルもありますので、着任後の話し合いを通じて必ずしも自身の創業に縛られない働き方を選ぶことも視野に入れています。

南九州市の隊員募集の詳細は下記サイトを参照下さい。

制度づくりで意識したこと

この制度をつくるにあたっては、市が望むことと、隊員の3年後の自立・定住の両立をどう実現するかをかなり真剣に議論しました。

ひとつの結論は「隊員のやる気を引き出すための柔軟な体制の提供」を実現すること。
勤務地を役所の外に置くことを明記し、経費処理や車輛活用などにおいて柔軟な体制を採り入れるために民間団体の関与のかたちをつくりました。

また隊員のメンタルケアと創業支援は、役所だけではなかなか難しいところがあるので、頴娃おこそ会を通じてサポートすることとしたものです。

研修会を開催し制度づくりの体験を共有することに

そして興味深かったのが、こうした制度づくりの過程について、県や他の市町村からも関心が寄せられたことでした。

せっかくなので、ここに至る流れを研修会を通じて近隣市町村とも共有しようと考えました。そうしたらなんと鹿児島県庁が応援してくれることになり、研修会の案内が県を通じて県内各市町村に送られることなりました!いやあ、ありがたい。鹿児島県庁、なかなかのしなやかさ!嬉しいですね。

そしてせっかくのせっかくなので、鹿児島の協力隊導入事例としてはたぶんおこそ会より有名で、全国協力隊サミットでも登壇したりしている日置市美山地区の吉村祐太さんの事例も紹介することとしました。彼本人ではなく、彼を地域の公民館に派遣する体制を生み出した日置市役所地域づくり課参事だった有村弘貴さんもゲストに迎えお話を伺います。今は異動され福祉課長ですので、もしかすると休暇を取って参加されるのかもしれません。こういう熱き行政マンたちの舞台裏の努力が、地域のスターを生み出します。

有村弘貴氏のプロフィール  (吉村佑太さんの作文です)
日置市福祉課課長。前地域づくり課参事。
“18時からが行政職員の飯のタネ”が口癖で、下戸にも関わらず、夜な夜な各地の会合に顔を出す変態公務員。
昨年、本来のフィールドである福祉課に移動になり、激ヤセする。
(なんとも愛情たっぷりの紹介文。こんなことを言い合える協力隊員と行政職員の関係って、素敵だなあって思います!)

2018年7月4日に鹿児島市内で開催予定の研修会については下記を参照下さい。

隊員の士気を高める体制づくりへの具体的な提案がしたい

そして議論だけしても事は動きませんので、今回の研修会では具体的な運用策を提案します。

「協力隊員を役場内勤務から外に出すこと」
「柔軟な活動を支援するための経費処理や車輛など管理制度を整えること」
「3年後の自立をいかに実現するかを意図した制度をつくること」

そして頴娃おこそ会や日置市美山の公民館や、吉村佑太さんが特別だから出来た…ではなく、
南九州市役所が今回で生み出した、その気になればどこの市町村でも運用可能な制度を基に具体的な議論をしたいと思います。

先日、南日本新聞に協力隊に関するこんな文章を掲載頂きました。

私の中ではこの研修会の開催は、ここに記した「協力隊員が活躍すれば鹿児島は面白くなる」を具現化するための一つの方策なのだと思っています。

ちなみに南日本新聞の記者さんも来てくれることになりそうです。

熱意ある隊員や民間の方が行政職員と一緒に参加してみては

今回は行政職員を主対象とした研修会ですが、熱意ある隊員の方が担当職員と一緒に参加したり、単独で参加することも歓迎です。

また、協力隊制度の運用に関わりたいと考える熱意ある民間の方が、行政担当職員と一緒に参加されたりということが実現すればとても嬉しいです。

ということでかなりテーマが絞り込まれた研修会ですが、隊員の意欲を引き出すことで協力隊制度を最大限に有効活用することを真剣に議論するための場となるかと思いますので、関心ある方の参加をお待ちしています。

*県庁から送付されている行政向け案内文は下記からダウンロード可能です。
行政とのやりとりなどで必要あればご自由にご活用下さい。
研修開催行政案内用文書PDF

*他県の方は、貴市町村から鹿児島県の担当者さんに問い合わせてもらっても良いかもしれません。
鹿児島県地域政策課 担当:杉元さん 099-286-2424

*頴娃おこそ会ではあわせて、協力隊向けの合宿型研修交流会も企画しています。

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じゅんさん

2010年に東京でのサラリーマン生活に別れを告げて頴娃にIターン移住。観光養殖場「タツノオトシゴハウス」を立ち上げるとともに、頴娃おこそ会の観光プロジェクトリーダーとして、観光から派生する行政連携、移住者受入、空き家再生、創業支援などに力を注ぐ。自分が何屋か分からなくなりつつあるが、本当は大工道具片手にDIYに勤しむことが好きなアラフィフ。