”感情をベースにつながるオンライン交流会”半歩先の歩き方MEET UPが、2022年1月14〜16日、21〜23日の6日間開催されました。

▼半歩先の歩き方MEET UPとは?

鹿児島県内6地域で”地域内外から人が集まる場”を運営している6組を「半歩先を歩いている方々」と定義し、1組ずつゲストに招き1時間半のオンライン交流会を開催。
前半では、様々な質問を元にゲストそれぞれの地域における半歩先の歩き方について伺いました。
後半では、参加者の皆さんと一緒にチャットを使ってゲストの思いを深掘りしたり、参加者からの質問にゲストが答えたり(場合によっては参加者が抱えている課題を共有したり)といった双方向的な交流を行いました。

▼ゲストのインタビュー記事を先行公開

交流会に先立ってゲストそれぞれの幼少期〜社会人生活の中で印象に残っていることや現在の活動に至るまでの背景をまとめた「半歩先の歩き方MEET UPにつながるインタビュー記事を先行公開しました。

本記事は、半歩先の歩き方MEET UP 当日のアーカイブ記事です。

当日の様子をそのまま記録した動画は、EIGOのYouTubeチャンネルからご覧いただけます。

YouTubeで半歩先の歩き方MEET UPのアーカイブ動画を見る

– 1/21のゲストは、長島町 つきひ惣菜店 カイユーヤさん

カイユーヤさんのプロフィール

1993年 大分県別府市生まれ。中学校を卒業後は、サッカーのスポーツ推薦で高校に進学。卒業後は、鹿児島県にある大学に進学し、3年生以降はイベントを行なったり、自主的に招待制の食堂を立ち上げる。その後は、長島町に移住し地域おこし協力隊として活動。現在は「食堂 あさひや」「つきひ惣菜店」の2店舗を経営すると共に、料理人として毎日食べても飽きない料理を提供している。

カイユーヤさんの事前インタビュー記事はこちらから

※本記事のライティングは、長島町の地域おこし協力隊 しんみはるなさんにお願いしました。

− 「半歩先を歩く現在」につながる原点

人って怖がりなところがあるから、チャレンジしたい気持ちがあっても、なかなかスタートが切れなかったりしますよね。あるあるだと思います。

そんな私たちにとって、カイさんのお話は、いい意味でちょっと「拍子抜け」するかもしれません。

なぜかというと、あまりにもリラックスして楽しそうに自らのチャレンジを語るから。

きっと苦労もあるだろうけど、それを全く感じさせません。

彼の話を聞いていると、不思議と気持ちが軽くなるというか、「まだ踏み出してもいない未来について悩む必要はないのかも?」と思わされます。

配信前半では、インタビュー動画を通じてカイさんの幼少期〜現在に至るまでを辿ります。

カイさん曰く「僕の全てが詰まっているインタビュー」竹をパーンと割ったような明るい口調で、

「半歩先を歩く現在」につながる人生経験を語ります。

中でも印象に残ったのが、大分県別府市で過ごした幼少期のエピソード。

「子供が少ない環境で、必然的に大人と接する機会が多かった」と話すカイさん。

大人たちから愛情をたっぷりそそがれて過ごす中で、「どういう風にコミュニケーションを取ったら物事が円滑に進むか」を考えていたと言います。

コミュニケーション能力がものすごく高い人、というイメージのあるカイさんの原点が垣間見えるお話でした。

また料理人であるカイさんらしいエピソードとして、「料理人の父と、料理上手な母の影響で、幼い頃から料理を作っていた」という心温まる家族のお話もありました。

他にも、小学3年生の時に見た「獅子座流星群」に感動し研究者を目指した話、

高校時代にサッカー部での活動を通して「誰かと何かを共有することの楽しさを覚えた」話など、現在のカイさんにつながるエピソードを知ることができました。

− 目指すのは、人と人のつながりや心地良さを生み出すご飯

配信後半は、サブゲストの加藤潤さん(NPO法人頴娃おこそ会)を交えて、参加者からの質問やコメントを元に関係性を深めていくオンライン交流会が行われました。

いくつか抜粋して紹介します。

・長島での暮らしはどうですか?

もうすぐ6年目になるんですけど、肌に合っていると思いますね。地域の人たちや周りの環境とかも含めて、小さい頃に住んでいた大分の別府に似ていて「懐かしいな」と思うことも多いです。

23歳の時に地域おこし協力隊の制度を使って移住したんですけど、地域の方から「ちゃんと食べているの?」と心配されてご飯に誘ってもらったり、食材をいただいたりしていました。

おかげさまでめちゃくちゃ太りましたね。

後は夕日を見るのが好きで、よく見に行きます。オススメの夕日スポットは「茶畑公園」です。

・料理人という仕事について

学生時代に企画した「ゆーや食堂」っていう料理イベントが楽しくて、「こういうことを仕事にしたいな」と思ったのをきっかけに長島町の地域おこし協力隊になったんです。

正直、飲食店を開業するっていうところまでは考えていなかったので、モチベーションをどう維持するかは課題です。

でも、長島でやることに大きな意義を感じています。

地域おこし協力隊の時にお世話になった生産者さんの食材を使える楽しさとか、関わってくれたお母さんたちがお惣菜を買って少しでも楽になってくれたら良いな、とか。

これからも人と人が繋がれたり、心地よい時間を生み出せるようなご飯を作っていきたいです。

・お店をやっていて楽しいことは?

純粋に美味しいって言ってもらえるのは嬉しいです。

お店を始めてからの楽しさと言えば、好きな作家さんに絵を描いてもらったり、自分で作った小物を飾ったり、内装を自由に考えられることですね。

それで、食べに来てくれた人たちが「あさひや面白いね」とか「つきひ良いね」って言ってくれるのが、食べるだけじゃない体験を作れているようで楽しいです。

・反対に、大変なことは?

大変なことは、集客とか。あと本当に直面しているのが、惣菜点が雇用の面で働く人がなかなか見つからなかったりとか。小さいコミュニティなんだなって思うことはあります。

後は個人的に悔しいなって思うことがあるんですけど、それって事業をしている人なら全員がぶち当たることなので。おそらく東京で出店していても、ぶち当たる。

多分、お店をする上での普遍的な苦労は経験しています。だけど、長島だからっていう苦労はないですね。

鈍感なだけかもしれないけれど。

− 楽しいという感情が、前に進むためのキーポイント

終始ニコニコと楽しそうにしている姿が印象的だったカイさん。

幼少期〜現在までの様々な経験をお話する中で(本人が意識しているかはわからないけれど)選択におけるキーポイントになっていたのが「楽しいかどうか」ということ。

部活や進路の選択も、仕事や暮らす場所も、「楽しいかどうか」を重視して選んでいるような印象を持ちました。

こういうシンプルなことを、大人になればなるほどいつの間にか忘れていたりする。

そのことに気づき、ハッとさせられました。

チャレンジしてみたいことがあっても、何かと理由を探して足踏みしてしまいがちな筆者は、

カイさんの「楽しければなんとかなる精神」を見習って、一歩は難しくてもまずは半歩、心が動いた物事に対して足を踏み出してみようと思いました。

(ライター:しんみはるな)

− 関連リンク

6地域のゲストの事前インタビュー記事を見るYouTubeで半歩先の歩き方MEET UPのアーカイブ動画を見る

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半歩先の歩き方MEET UPは、鹿児島県から「つなぐ・つながる連携の場づくり事業」を受託したNPO法人頴娃おこそ会が実施いたしました。